ヤマナハウスの裏山に、アート作品を設置!
令和元年の台風による倒木を使った作品を、アーティストユニットBLANCO*とともに制作しました。9月に設置した支柱を軸に、半年かけて集めた里山素材を配置していくワークショップ。ヤマナメンバーに加えてアカデミーメンバーや地元高校生も参加し、ワークショップが開催されました。9月のワークショップの様子はこちらをご覧ください。
*BLANCOはアートと社会をつなげる活動を手掛けており、日本とイタリアの両拠点を中心に活動しています。さまざまな国のさまざまな人々と組んで、言語や1つの価値観に縛られない自由な視点を生み出す場を実現したいとの思いから、いろいろな国・地域でワークショップを行っています。そのメンバーであるCristian Boffelliさん(通称キッコさん)と宮山 香里さんが、今回ヤマナハウスに来てくださいました。
BLANCOを中心に、里山素材の事前準備
前回のワークショップで支柱を設置した後、続きのアートワークについてのプランが動き始めました。BLANCOのお二人と本プロジェクトに関わったメンバーでの企画会議を12月に実施。どんな里山素材を集めていくか、どんなイメージのものになっていくのか、話し合いました。
9⽉の「第一回目-⽀柱を建てる-編」では、傾注の場を定めて整備し、作品として「注意を向ける」「⽬⽴たせる」作業を行いました。今回の「第⼆回⽬-素材を設える-編」では、周囲の環境を⻑期的に観察するための装置を加えていきます。倒⽊/⽀柱に⾥⼭素材を組み合わせ、設置していくことになりました。
自然環境は、常に変化を続けています。
その変化を体現するアート作品ということで、方向性が固まっていきました。
集めるのは、耐久性も考慮して未活用の里山素材である「動物の骨や羽」。
イノシシやキョン、アライグマの骨を事前の月例作業できれいにし、乾かしてお二人に送ります。メンバーの沖さんが鴨打ちもするので、そこで獲った鴨の羽も準備しました。
「再⽣」したカクレミノの倒⽊が「⽣きている有機物」として変化する様、そこに加わる動物の「死の有機物」が、⾵化しながら変化する様の対照を⾒守る場となります。
BLANCOのお二人は前日からヤマナ入りし、素材準備として骨の塗装を行いました。
支柱は、自然環境の中に違和感を示す鮮やかな色でしたが、骨素材は、それぞれが持つ色や形を活かして、塗装しないままの白と、塗装する黒に統一。まずは光を透過する骨独自の色を活かす骨を選び、残りは多様な形が浮かび上がる黒を塗装しました。


思い思いの形に骨をつなぎ、支柱へ設える
ワークショップの当日は、準備した骨を裏山の倒木作品まで運び、作業を開始。
この骨を紐でつないで、支柱や幹に吊るしていきます。
支柱の高さがそれぞれ異なるので、まずは支柱ごとに素材を設える位置を決めます。
次に、骨を紐でつなぐ作業です。
骨は大小さまざま、多様な形が混在しており、背骨や頭骨もあります。
「それぞれ好きなように組み合わせてください!」と言われて、思い思いに作業を開始。
白と黒を交互にしたり、細い骨は2本組み合わせたり。
同じ骨でも、中心で結ぶのか、端で結ぶのかで、吊るした時の雰囲気が変わってきます。


その間にキッコさんが支柱に吊るすための紐を取り付けてくれました。
それぞれがつくった骨の紐を、そこに繋げていきます。



もってきた紐が全部なくなるほどたくさん骨を結び、支柱のみならず倒木の枝にも吊るしていきました。
最後はキッコさんと宮山さんが、全体を見ながらバランスを確認。
「もう少しこちらに移動させようか」
「頭骨付の糸は、手前側に吊るそうか」
と意見交換しながら全体を整えて、完成しました!
これらの有機的な素材が、⾵や空気に応じて揺れ動いたり、⾳を⽴てたりする様が、周囲の環境を映し出す鏡となります。
作品を囲んで鑑賞、感想を交わす
少し伸びていた周辺の木をヤマナメンバーに切ってもらい、日の光もいい感じに差し込みます。ちょうどヤマナハウスを見学に来たお客様も裏山に足を踏み入れ、一緒に作品を鑑賞しました。
最後に全員で作品を眺めながら、それぞれが感じたことを共有しました。
「下から見るのと上から見るのとで雰囲気が違うし、光の当たり方でも表情が変わる。自然の一部としてのアートであることがおもしろいなと思いました。これからの変化が楽しみなので、裏山にあがってくる口実もできました!」
「動物を捌いて料理するとき、骨は捨ててしまうものでした。今回、その骨が芸術になっていくことで、新たな視点を知ることができました。食べるだけではなく、視覚的な芸術としても見せられる世界だと感じました。アートは、そこにあることで人が訪れる、魅力的な存在だと思います」
「骨の形1つひとつをまじまじと見たのは初めてです。骨が美しいと思ったのは初めてかもしれません」
「カクレミノを見出して、こういう形でアートにした点も、驚きました。カクレミノ自体が倒木から芽がでていますし、枝は伸び続けています。そういう点にも目を向けることができた機会でした」

最後に、宮山さんとキッコさんからの感想です。
「みんなでアクティブに動けたので、プロジェクトが具体的な形として仕上がり、安心しました。前回は、自然の中で目立つ強い色で倒木の支柱をつくったのですが、今日はあえて違和感のある素材を設えました。ここからが始まりです。度々裏山に登り、この作品が環境とともにどう変化していくか、定期的に観察を続けてください。どんな風に変わっていくか、ぜひお知らせください。」
アートワークの終了後は、みんなで乾杯!
BLANCOのお二人が事前に仕込んでくれて来た、猪肉のラグーパスタと、持ち寄りつまみでアートワークプロジェクトを振り返りました。
YAMANAアートプロジェクトは来年度も続いていきます。

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