ヤマナハウスの裏山に、アート作品を制作中!
令和元年の台風による倒木を使った作品を、アーティストユニットBLANCO*とともに制作中です。9/21(土)に下準備を行い、9/22(日)にワークショップ形式でアートワークを行いました。その様子をお届けします。
*BLANCOはアートと社会をつなげる活動を手掛けており、日本とイタリアの両拠点を中心に活動しています。さまざまな国のさまざまな人々と組んで、言語や1つの価値観に縛られない自由な視点を生み出す場を実現したいとの思いから、いろいろな国・地域でワークショップを行っています。そのメンバーであるCristian Boffelliさん(通称キッコさん)と宮山香里さんが、今回ヤマナハウスに来てくださいました。
https://blanco.themedia.jp/
YAMANAアートプロジェクトとは
ヤマナハウスは現在、環境省の支援事業である「里山未来拠点形成支援」というプロジェクトを推進しています。主たる活動の1つが、生物調査。南房総の里山にはどんな生態系があるのか、季節をまたぎながら調査を続けています。
もう1つ始めた活動が、このYAMANAアートプロジェクトです。
里山の生態系を、もっといろいろな視点から見られないだろうか。
そういう話をBLANCOのお二人とする中で、
「アートを通して里山の生態系を多様な方向から観続ける」という発想が生まれました。
どんなアートにしようかと、最初にヤマナハウスを訪れてくれたのは4月です。
裏山を探索し、注目したのは倒木でした。
令和元年の台風の時に倒れてしまったカクレミノの木で、放置されていました。
しかし、里山は生き続けています。
周辺には新しい木々や草花が生え、倒木によって日の当たる場所が変わったことで周囲の生態系にも新たな関係性が育まれていました。
こういう変化は自然界のいたるところで起きていますが、私たちはその多くを見過ごしています。
この倒木を、“傾注”の場と定め、災害の記憶と、更新し続ける自然変化を体現したい、
というキッコさんのイメージから、具体的にプロジェクトが始まりました。

下準備を開始!
9/21の土曜は、参加可能なメンバーが集まり下準備を開始。
アートに使う木の杭を選び、色塗りをしていきます。
使うのは、ヤマナハウスの床下に放置されていた木材の再活用です。
まずは、現場を確認。支柱を設置する場所と高さを決めていきます。

その後、山を降りて、使えそうな木材を選別。
必要な長さに切断していきます。
支柱の切断作業中。

明日の作業のために、下塗りをして乾かします。

赤・青・黄と、鮮やかな三色に塗っていきました。

みんなでアートワーク!
9/22の日曜は、ヤマナハウスの月例Dayと同時開催でのワークショップです。
これに参加したいとヤマナアカデミーチケットを使ってきてくれた方も合流。
最初にみんなで、昨日塗った木材をアート設置場所まで運びます。


位置を決めて、杭を土に打ち込んでいきます。
倒木の表面を養生しながら、杭と木を紐で括り付けます。
土が固かったり、根が張っていたりで、支柱を埋め込むのは簡単ではありませんでした。
皆で力を出し合って、作業を進めていきました。
養生しながら、支柱を固定する作業をしているところです。



設置場所での本塗りを行いました。

今日の仕上がりはこんな感じ。

「更新し続ける記憶」としてのアート
ワークショップを終えた感想を、BLANCOのお二人に聞いてみました。
「自然の中にこういう作品をつくっていくことは初めてで、イメージ通りに進むのかを結構心配していました。でも思っていたことがきちんと形にでき、うれしく思っています。いろいろな人が参加して形にできたのも、とてもよかったと思っています」(キッコさん)
「今回はコミュニティの人たちと作るということにも、大きな意義を感じていました。日によって違うメンバーが参加してくれ、それぞれの方との会話もできたのもよかったです。コミュニティ自体の動きを体験できたりしたのも、おもしろい時間でした」(宮山さん)
裏山でアートワークをするというのは、ヤマナハウスにとっても初めての機会です。
「永森くん(ヤマナハウス代表)が言っていたのも印象的でしたよ。『これまでこんなに長く裏山に滞在したのは初めてだ』と。私もこの裏山を何回か訪れましたが、アートワークをやることで長く滞在する機会になりましたよね。その間に風の動きや空の変化を感じたり、こんな木の種類があるんだと気づいたり。そうしたことも面白かったです」という話も、宮山さんから伺いました。
BLANCOのお二人がイメージしていたのは、「更新し続ける記憶」の装置としてのアート。次のワークショップは2月に実施予定で、ここから半年かけていろいろと素材を集めていきます。
「木の実や鳥の巣や、いろいろと面白い素材をすでに目にしています。どちらかというと土や山に関連する素材を使いたいと思っているところですね。素材が追加されると、時間の記憶や意味合いが付属されると思います」(宮山さん)
「この地域の象徴となるような素材をアート領域にしつらえていくというイメージですが、あまり計画を立てすぎずに、皆さんの意見を大事にしながら、状況に応じてしつらえ方を決めていこうと思っているところです」(キッコさん)
裏山の道を上がっていくと、色鮮やかなアートが目に入ります。
様々な方に観にきてもらうことも、里山の未来に向けた大事な一歩。
次回までの半年のあいだに、里山素材を少しずつ集めてもらう予定です。この集積が、より生物や植物など、周囲の環境を観察し続けるきっかけになるでしょう。
2月のワークショップも、ぜひお越しください。


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